宗門の推進する「御同朋の社会をめざす運動(実践運動)」を基盤に、本願寺派関係学校における人権教育の現状と課題について研究討議することを目的に開催しております同和教育研究会につきましては本年で40回の節目を迎えました。
今回のテーマは「奪われた生活 福島原発事故と放射能汚染による人権侵害を考える~ミナマタからヒロシマへ、そしてフクシマ~」と題し、は東日本大震災から派生し、深刻な社会問題となった福島原発事故と放射能汚染による人権侵害をテーマとして、仙台・福島を拠点に開催いたしました。
初日(6/26)、島田 度先生(弁護士)より基調講演①「東日本大震災における原発被害の現状について」と題して講演をいただき、放射能汚染の現状について学びました。
その後、津波被害の最もひどかった名取市閖上地区にある「閖上の記憶」を見学いたしました。
http://tsunami-memorial.org/about-the-memoire-de-yuriage/
翌日(6/27)、廣畑恵順氏(宗派福島県事務所専従員・浪江町 常福寺住職)案内のもと、浪江周辺被災地を見学。また、浪江町役場二本松事務所にて馬場 有 浪江町長より基調講演②「浪江町の被害について」と題し、講演をいただきました。浪江町の震災当初の生々しい状況や復興が思うように進まない現況について詳しくお話をいただきました。
宿舎に戻って被災住民の方々との意見交換会、夕食を共にする交流会を行いました。
今回の研究会参加者は、福島原発事故をとおして、経済活動優先の社会や原子力開発が、様々な人権問題につながることを認識することができ、被災地の声から、テレビや新聞などの情報だけでは知ることのできない「事実」を学ぶことができたことと思慮いたします。
参加者がそれぞれの学校現場において、本研究会での学びを人権教育の推進に生かすことを切に念じます。
・2014(平成26)年6月26日(木)~28日(土)
・会 場 東北教区災害ボランティアセンター(仙台別院)・閖上の記憶・浪江町
役場二本松事務所他
・講 演 基調講演① 講師:島田 度(弁護士)
講題:東日本大震災における原発被害の現状 について
基調講演② 講師:馬場 有(浪江町長)
講題:浪江町の被害について
・フィールドワーク 浪江町周辺被災地<避難指示解除準備区域・居住制限区域>
※福島県の旧立ち入り制限区域にある被災寺院と沿岸部を含む周辺地域の視察。
【案内者】廣畑恵順(宗派福島県事務所専従員・浪江町 常福寺住職)